ホームAI画像・映像解析 / AI画像解析とは

GUIDE

AI画像解析とは?
仕組み・種類・活用事例と、精度が出ない条件まで

画像や映像から、人・モノ・文字を認識して数値にする技術です。 ただ「何でも読み取れる」わけではありません。この記事では、AIが画像から実際に取り出せるもの8種類と、 どういう条件だと精度が出ないのかまでを、導入を検討する側の判断材料として整理しました。

最終更新:2026年9月9日/株式会社vartique

1. AI画像解析とは

AI画像解析とは、画像や映像に何が写っているかをAIが判断し、人が使える数値やラベルとして取り出す技術です。 「この写真に写っているのは製品Aか製品Bか」「この映像に人が何人いて、どこに立ち止まったか」「この帳票の金額欄は何円か」—— いずれも画像解析の仕事です。

従来のプログラムは、色や形の条件を人が細かく書き下ろす必要がありました。AIを使う画像解析では、 正解つきの画像をまとめて学習させることで、条件を言葉にしにくい対象でも判別できるようになります。 人の姿勢や表情、傷の有無、混雑の度合いなど、ルール化が難しいものほどAIの利点が出ます。

この記事の立ち位置:できることだけを並べても導入の判断はできません。 3章で「取り出せるもの」を、5章で「精度が出ない条件」を、それぞれ具体的に書きます。 自社の課題が画像解析に向いているかどうかを、その2つの章で判断していただくのが目的です。

2. 「画像解析」「画像認識」「画像処理」の違い

この3つは現場でもよく混ざります。厳密な線引きが業界で統一されているわけではありませんが、 発注や社内説明のときに区別できていると話が早くなります。

用語やっていること出てくるもの
画像処理 画像そのものを加工・変換する。判断はしない 加工後の画像 明るさ補正、ノイズ除去、輪郭強調、拡大
画像認識 写っている対象が「何であるか」を判定する ラベル・種類・位置 これは猫/この位置に車がある
画像解析 認識した結果を使って、数える・測る・比べる 数値・集計・判定結果 1時間に何台通ったか/お手本との一致度は何点か

実務上は、画像処理 → 画像認識 → 画像解析という順につながっています。 暗い映像を補正し(処理)、人を見つけ(認識)、何人が何秒滞在したかを集計する(解析)、という流れです。 「AI画像解析」と言うときは、この一連をまとめて指していることがほとんどです。

「映像解析」との違いは、時間軸があるかどうかです。 1枚の画像を扱うのが画像解析、連続したフレームを扱って動きや変化まで見るのが映像解析です。 人の動線や作業の速さのように「前後のつながり」が必要なものは映像解析の領域になります。 当社の対応範囲はAI画像・映像解析にまとめています。

3. AIが画像から取り出せるもの8種類

「画像解析でできること」は抽象的になりがちです。実際に手元に残る出力で並べたほうが、 自社の課題に当てはまるかどうかを判断しやすくなります。

AIが画像から取り出せる8種類。画像分類・物体検出・セグメンテーション・姿勢推定・顔と手の認識・トラッキング・文字認識・異常検知
AIが画像から取り出せるもの8種類。多くの案件は、この8つの組み合わせで成り立ちます。
種類取り出せるもの使いどころ
1. 画像分類 その画像が何のカテゴリか(ラベル1つ) 良品/不良品の仕分け、写真の自動タグづけ
2. 物体検出 対象の位置(枠)と種類、個数 車両の判別と計数、棚の欠品検知、人の検出
3. セグメンテーション 対象の輪郭を画素単位で塗り分けた領域 面積を測る、傷の広がりを出す、背景を分離する
4. 姿勢推定(骨格検出) 関節の位置と、部位ごとの角度 フォームの評価、危険姿勢の検出、動作の採点
5. 顔・手の認識 顔の位置と向き、手や指の形 非接触のジェスチャー操作、注目方向の把握
6. トラッキング(追跡) 同一対象の軌跡と、通過・滞在の時間 重複しない実人数のカウント、動線の可視化
7. 文字認識(OCR) 画像内の文字列とその位置 帳票の読み取り、ナンバープレート、ラベル照合
8. 異常検知 通常の状態からのズレの大きさ 設備の異常、想定外の物体の混入

多くの案件は、この8つの組み合わせで成り立ちます。たとえば「店舗の売場改善」なら、 物体検出(人を見つける)+トラッキング(同じ人を追う)+集計、という構成になります。 「熟練者と新人の作業の違いを見たい」なら、姿勢推定+時系列の比較です。

4. 仕組み|画像が数値になるまで

画像が数値になるまでの3ステップ。画像を数値として受け取り、特徴を段階的に取り出し、目的の形で出力する
画像が数値になるまでの流れ。入力された画素の値から特徴が段階的に取り出され、検出枠・骨格・集計値といった目的の形で出力されます。

ステップ1:画像を数値の並びとして受け取る

画像は、画素ごとの色の値が並んだ数値データです。AIはこの数値の並びを入力として受け取ります。 この段階で、明るさの補正やサイズの統一といった前処理を行います。

ステップ2:特徴を段階的に取り出す

最初の層では線や角のような単純な特徴を、層が深くなるにつれて「タイヤらしい形」「人の上半身らしい形」といった 複雑な特徴を捉えていきます。どこに注目すれば見分けられるかを、人が指定するのではなく学習で獲得するのが、 従来の画像処理との最大の違いです。

ステップ3:目的の形で出力する

同じ特徴からでも、出力の作り方によって分類にも検出にもなります。3章の8種類は、 ここの設計が違うと考えてください。

学習データについて

一般的な対象(人、車、日用品など)は、すでに学習済みのモデルで足りることが多く、 その場合は追加の学習データを用意せずに始められます。一方、 自社特有の製品や、特殊な設備・器具を見分けたい場合は、その画像を集めて学習させる工程が必要になります。 ここが費用と期間を大きく左右します。

5. 精度が出ない5つの条件

画像解析の導入がつまずくとき、原因はモデルの優劣より撮影条件にあることのほうが多くあります。 次の5つは、事前に確認しておくと手戻りが減ります。

条件1:対象が小さすぎる

画面の中で対象が数十画素しかないと、種類の判別は難しくなります。 「遠くの人を数えたい」という要件は、画角を分けるかカメラを増やすかの検討が要ります。

条件2:対象どうしが重なる

人が密集する場面では、後ろの人が隠れて数え落としが出ます。混雑した状況を測りたい場合は、 俯瞰に近い角度にする、混雑向けの設定に切り替える、といった対応が必要です。

条件3:カメラの角度が浅い

真横に近い角度からの映像は、人やモノが重なりやすく、位置の推定精度も落ちます。 斜め上から見下ろす角度が確保できるかどうかは、早い段階で確認してください。

条件4:明るさが足りない・逆光

夜間や暗所、強い逆光では、そもそも特徴が写りません。照明の追加や、赤外線カメラの併用を検討します。

条件5:学習した状況と本番の状況が違う

別の現場の映像で学習させたモデルを、カメラの機種も角度も違う現場にそのまま持ち込むと、精度が落ちます。 実際に使う現場の映像で検証することが、いちばん確実な確認方法です。

「何%の精度が出ますか」には、条件抜きでは答えられません。 同じ仕組みでも、上の5条件によって結果は大きく変わります。 当社では、実際の現場の映像を1本お預かりして、どこまで取れるかを確認してお返しする進め方をおすすめしています。 その時点で難しいと分かれば、無理に進めないほうがお互いのためです。

6. どう導入するか|4つの分岐

技術そのものより、この4つの選択のほうが、導入の成否を左右します。

分岐1:既製サービスか、個別開発か

汎用的な用途(一般的な物体の検出、OCRなど)は既製のサービスで足りることがあります。 一方、判定のルールや画面が自社の業務に固有なら、個別に開発したほうが結局早くなります。

分岐2:SDKを買うか、使える形まで作ってもらうか

画像解析エンジンの多くはSDK(開発キット)として提供され、 それを使うアプリや画面は導入企業側で開発する前提になっています。 社内に開発リソースがない場合、ここで止まります。実際に「SDKを導入したが使える形にできなかった」というご相談は少なくありません。

分岐3:クラウドで処理するか、端末内で処理するか

処理する場所向いている場面注意点
クラウド 大量の録画をまとめて解析したい/複数拠点の結果を集約したい 映像を外部へ送信する。通信量と通信の安定性が前提
端末内 映像を外に出せない/通信が不安定/その場で結果が要る 端末の性能に依存する。重い処理は設計の工夫が必要

個人情報の取り扱いが厳しい施設・自治体・学校では、端末内で解析を完結させ、映像を外部に送信しない構成にできるかどうかが、 検討に乗るかどうかの分かれ目になります。

分岐4:どの形で現場に届けるか

Webブラウザ(インストール不要)、専用ソフトウェア、既存システムへの組み込み。 「端末を配れない」「今の業務システムを変えたくない」といった制約に、提供形態のほうを合わせられるかを確認してください。

7. 活用事例

人の流れを数える|店舗・施設・街頭

物体検出とトラッキングを組み合わせて、通行量・エリア別の滞在時間・動線ヒートマップを自動集計します。 勘で決めていた売場の判断を、実際の数字で裏づけられるようになります。 詳しくは人流分析をご覧ください。

人の動きを採点する|教育・介護・スポーツ・製造

姿勢推定で関節の角度を取り出し、お手本との一致度を数値にします。 「もう少し腰を落として」という感覚的な指導を、部位ごとのスコアに置き換えられます。 当社ではおどりナビARとして提供しており、 工場の作業分析や安全教育にも応用できます。

物体・車両を判別して数える

走行車両の判別、通行量の把握、現場映像からの対象検出など。 人が張り付いて数えていた確認業務を置き換える用途です。

顔や手を認識して操作する

顔の位置や手の形をリアルタイムに認識し、画面に触れずに操作する体験をつくります。 当社はARコンテンツの開発を通じて、人物の体・手・顔のリアルタイム認識技術を積み上げてきました。 その認識技術を、エンタメ用途にとどまらず教育・産業・公共の分野へ広げています。

8. 導入の進め方と、費用が動く要因

いきなり本開発に入らない

画像解析は、実際の現場の映像で確認するまで結果が読み切れません。 そのため、小さく試して、確かめてから広げる進め方をおすすめしています。

費用が動く要因

認識する対象・必要な精度・提供形態・対応端末の数によって大きく変わるため、定価はご用意していません。 判断材料として、費用が上下する要因を公開します。

費用が上がる要因内容抑えるには
認識対象の難しさ自社特有の物体、暗所、遠距離など、学習データの追加が必要な場合既存の認識モデルで足りる範囲から始める
求める精度誤検知が許されない用途ほど、検証と調整の工数が増えるまず実証で必要精度を見極める
提供形態専用ソフトや既存システム連携は、Webのみの構成より工数が増えるWebで検証してから提供形態を決める
画面・管理機能管理者向けダッシュボードや記録管理を伴う場合初期は解析部分のみで検証する
台数・拠点数カメラや端末が増えるほど、設定・検証・処理環境の工数が増える代表的な1〜2か所で効果を確認してから広げる
リアルタイム性常時監視して即座に通知する構成は、録画のまとめ解析より高くなる録画のバッチ解析から始める
予算に上限がある場合は、その範囲で何ができるかをご提案します。 「この金額でどこまでできますか」というご相談で構いません。 優先度の高い指標や機能から順に組み、範囲を区切った形でお出しします。

9. よくあるご質問

専用のカメラやセンサーは必要ですか?

基本的に不要です。タブレット・スマートフォン・PCの一般的なカメラや、既設のネットワークカメラで動作する構成を想定しています。 深度センサーやマーカーの装着も必要ありません。

撮影した映像は外部のサーバーに送信されますか?

要件に応じて選べます。解析を端末内で完結させる構成にすれば、顔や映像をクラウドへ送信しません。 集計結果として残るのは人数や滞在時間といった数値データだけ、という設計にもできます。

学習用の画像は何枚くらい必要ですか?

一般的な対象であれば、学習済みモデルで足りることが多く、追加の画像を用意せずに始められます。 自社特有の対象を見分けたい場合に必要な枚数は、対象の見分けやすさと必要な精度によって変わります。 まず手元にある画像を見せていただければ、必要量の見立てをお伝えできます。

既製のAIサービスと、開発を依頼するのはどちらがよいですか?

判定のルールや画面が汎用的なら既製サービスが早く、安く済みます。 自社の業務に固有の判断が必要な場合や、既存システムとの連携が要る場合は、個別開発のほうが結果的に早くなります。 迷う段階でのご相談も承っています。

要件がまだ固まっていないのですが相談できますか?

問題ありません。「画像で何かできないか」という段階からのご相談も承っています。 技術的にできること・できないことを整理するところからご一緒します。

より詳しい資料をご用意しています。 映像解析AIでできることの整理、提供形態の選び方、SDK調達との違い、費用が動く要因、 PoCからの進め方までをまとめた「AI画像・映像解析 導入ガイド」(PDF・全12ページ)を無料で配布しています。 資料ダウンロードはこちら